2009年10月30日金曜日

第2話「家出少女救出作戦」#3

「で、どうします?」
「彼女の足取りがつかめない分、その男を拉致してしゃべらせるのもリスクが高すぎるし、時間をかけていたらゆかりさんの命が危ないかもしれない。かといって警察を動かすほどの証拠もないし、手詰まり状態なんだよ。で、順平くんに良いアイディアないか聞こうと思って電話したんだ。」
「判りました。ちょっと考えてみます。」
「とりあえず、その男の情報が欲しいですね。」
「そうなんだ。今のところ判っているのは、名前、高須雄一と住所、後は写真による外観と、店員のうわさ話程度だ。年齢は30ぐらい。その他、なんでも良い。彼女につながるヤツの情報が欲しいんだ。」
「所長はずっと見張ってるんですか?」
「ああ、知り合いの探偵事務所に助っ人を頼んだんで、明日の早朝には見張りを交代するが、それまでは逃げられたら困るからずっと見張っているつもりだ。」

「所長。フィッシング詐欺の手口を利用した、いい方法を思いつきましたよ。とりあえず明日の朝、今から言うものを用意してください。」
電話で必要なものを伝えると、
「そんなもの使ってどうするんだ?」
「まあ、詳しいことは明日現物を見せながら説明しますよ。」
と、順平は、電話を切るとノートPCの電源を入れ、早速作業に取りかかった。


最近は詐欺事件が多くなってきましたねえ。
皆さんもお気をつけください。

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所長の今日の装い。
張り込みはこんな服装。


翌朝早朝に、事務所に行くと、所長と江島さんが待っていた。
「さあ、無地の段ボール箱1つとポケットティッシュ50個、手提げの付いたカゴ1つと、キャンペーンガール1名を用意したぞ」
「もう何で私が、キャンペーンガールなんですか?」
「まあまあ、江島くんこれも仕事のうちだよ」
そこには、スリーブレスで、ミニスカの江島さんが立っていた。ぴったりサイズで、ボディラインがはっきりと現れている。胸元も大きく開いていて、胸の谷間がよく見える。
「特別手当たっぷり頂きますからね。もう、こんな格好で、外歩かなくっちゃならないなんて。」
「ばっちりキャンペーンガールですね。完璧です。」

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おお!!ちょっと見れない絵島さんのキャンギャル姿は、こんな感じ。

「じゃ、ポケットディッシュにこれ入れてください。」
といって、昨晩作った、ポケットティッシュに入れるのチラシを渡した。
「じゃ段取りを説明します。ターゲットとなる男は、新開地駅のすぐ近くに住んでいます。ネットカフェの店員の話では、昼過ぎから、ほぼ毎日神戸駅の周辺で女の子を物色しているらしいので、新開地の駅前、奴のマンションに一番近い2番出口で、待ちかまえます。そのタイミングは、やつを尾行する所長から指示ください。やつが駅の入り口が見える位置にきたタイミングです。江島さんは所長から指示が来たらティッシュを配りはじめてください。そのときにはこのオレンジ色がバックのティッシュを配ってください。そして奴が来たら、こちらの赤いティッシュを渡してください。赤いティッシュは3つしか用意してないので、他の人に取られないように、奴に渡そうとして不自然にならないように気をつけてください。所長はそのまま尾行を続けて、やつがティッシュの広告につられるか確認をお願いします。」
「なるほど、ティッシュの広告で奴を釣り上げるのか。良い作戦だな。」
所長は納得してくれた。納得してないのは江島さん。
「こんなかっこで外歩けないわ。新開地駅までは、上に着てても良いんでしょ?」と早速、ブルゾンと巻きスカートを着けていた。


タイダイ&刺繍付 インド綿 ラップスカート 墨黒 アジアン エスニック 巻きスカート コットンスカート ロングスカート

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ああ!!せっかくのミニスカートが...。

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上に着ちゃったよ。

「じゃ、俺は先に行って助っ人くんと交代してる。二人とも、ヘッドセットを今から着けといてくれよ。」
と言って所長は先に出かけた。

俺と江島さんは、ティッシュに広告を差し入れ、段ボールの中に、100均で買ったような手提げのついたカゴを入れた。





「しかしよく、そんなキャンペーンガールの衣装なんて持ってたね」
「私は、こんなの買いません。所長の趣味よ。こんなのを私に着せて喜んでるのよ。」
「え、そうなの?」
「まったく変態よね。もしかして順平くんもこんなのが良いの?」
「いやいや、いつもの江島さんも可愛いけど、キャンギャルの江島さんも趣があっていいですよ。」
「もう、おだてないでよ。さぁそろそろ行ってスタンバイする時間よ」
「了解です」
俺と江島さんは事務所のワゴン車に荷物を詰め込んで出発した。事務所から30分ほどだろう。
新開地駅の2番出口が見える位置にワゴン車を止め、所長に連絡をとった。
「順平です。今、新開地駅に着きました。そちらの状況はどうですか?」
「滝沢だ。まだやつは部屋にいる。リビングに人影が見えるからそろそろ出かけるかもな?」
「了解です。連絡を待ちます」



より大きな地図で 順平マップ を表示
新開地駅周辺の地図(地図上の現実の場所、建物等とは一切関係ありません)




≪#4へ続く≫
この小説はフィクションであり、実在する国、団体や事象、法律など実在の世界にあるものとは、一切関係ありません。
バナー広告と小説の出てくる物品が似ている場合もありますが、それが同一のものであることを保障するものではありません。

2009年10月27日火曜日

第2話「家出少女救出作戦」#2

じゃ早速ということでインターネットカフェのPCを立ち上げる。

まずはブラウザの履歴を見て見るかな?
どっか有名どころでも行っててくれればいいけど。
ん、大手ブログサイトの履歴が残っている。
ネットに繋いで、ブラウザを立ち上げてみると、ブラウザのブックマークにそのブログがある。
あれ?もしかして?と思いならそのブログにアクセスして、ログインIDのところで、ダブルクリックしてみる。案の定、いくつかのIDが一覧表示された。
一番上にyukananというIDがある。多分こいつだ。IDをクリックすると、ID入力エリアに「yukanan」が入り、パスワード入力エリアには「*********」が入った。
「ログイン」ボタンをクリックすると「ユカナンの秘密の小部屋」というタイトルが表示された
「よし、これでゆかりさんのブログに入れました。足取りが追えると思います。」
最後の書き込みは2日前、
『やっほーユカナンだよ。今神戸にきてるの。ハーバーランドの夜景がきれいで、ちょー感激』
『2日前に神戸にいたのは間違い無さそうだ。ハーバーランドだから、神戸駅周辺に居るかもね』
「やったな、流石順平くん。仕事が速いなあ。ありがとう。ここからは俺の領分らしいから、引き取るよ。また困ったら頼むな。で、この依頼が片づくまで、携帯をいつも持ち歩いて連絡とれるようにしておいてくれよ。」
「じゃ早速聞き込みに行ってくる。」
と言って出かけてしまった。
後には、俺と江島さんが残された。
「あの、江島さん。この前はどうも」
急にまじめモードになった江島さんが
「じゃ、コーヒー飲んだらさっさと帰ってね。私、所長のバックアップで忙しいから。」
と言う。
「じゃ、この依頼が片づいたら映画見に行かない?ハリー・ポッターの鑑賞券もらったんだ」
「この依頼は片づいてもいないし、映画も見ません」
「ええ、そんなあ」
「もう、所長に渡すための宿泊先リストをつくったり、事前アポをとったり、ブログを調べたりって忙しいの。じゃましないで」
そこまで言われたら、話が続けられない。
しぶしぶ黙ってコーヒーを飲んで「ごちそうさま」とだけ行って事務所を後にした。


神戸らしさを堪能ください。


もう一度最初から見直しませんか?


すごい。全巻セット。何日で読みきれるかな?


ちぇ、江島さん何であんなに急に不機嫌になっただろ。
悩んだところでしょうがない。
帰って寝ることにした。

夜中に所長から電話がかかってきた。
「よかった。順平くん。明日も休みだろ。朝から事務所に来てくれないか?」
「とりあえず彼女の足取りは追えたんだが、当の本人が見つからなくてね。またちょっとお知恵拝借だ。」
「3日前の夜、例のブログを書いた日は神戸駅のすぐ近くにあるネットカフェに泊まったことは判った。だがその後の足取りがつかめない。店員の話では、どうやら男についていったらしいんだ。いま、その男の部屋をさぐりあてたところなんだが、どうやら他の女を連れ込んでいるみたいだ。この辺じゃ軟派で有名らしい。やつの周辺を洗っているが。どうしても彼女が見つからないんだ。」
「それから、もうひとつ困ったネタがあってね。関西方面でこの1ヶ月で30人近い失踪者が出ている。それも若い女性ばかりだ。関西の探偵仲間では、解決できない依頼として有名になっている。どうやら、それらのほとんどが神戸方面に集中して、そこで足取りが途絶えている。今回の依頼もその可能性が高い。と言うことは、組織犯罪である可能性が高くなってきている。つまり、相当やばいってことだ。」
「え、そうなの?」
と気楽に答える俺。
「ああ、単独で悪さしてるんだったら、俺の腕力で押さえつけて吐かせる事もできるんだが、こういう組織に属しているやつらは敏感でね。仲間と連絡がとれなくなったらとたんに地下に潜るんだ。全く探せなくなってしまう。今、奴らは警戒していない。俺たちが奴らを捜していることを奴らが知らないことが一番の有利なところだ。」
「そんなもんですか。」
俺はこの業界のよくわかっていないので、納得するしかなかった。
「普通なら、奴に気づかれないようにして、時間をかけて調査するんだが、今回はどうも時間が無さそうな気がする。なので、尾行しての情報収集はやるんだが、順平くんにも情報を集める手助けをして欲しいんだ。」



いやん。科学しないで。


ありましたね。失踪マニュアル


≪#3へ続く≫
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