2010年1月4日月曜日

第3話「ウェブサイトの恐怖 漏洩情報を排除せよ」#5

念のため、サングラスと付け髭で変装する。

万が一ネットカフェが特定された場合、監視カメラに証拠が残らないようにするためだ。

指紋を残さないために、すべての指先には瞬間接着剤を塗って乾かしておく。
キーボードが打ちにくくなるが、手袋をして店員に怪しまれるよりましだ。

ネットカフェにはいると、初めてなので会員登録をする。
この様なときを想定して、所長から偽造保険証をもらっているので、それを使った。建部憲次郎ってオッサンみたいな名前だ。

保険証に記載した住所を書き、適当な電話番号を書く。
店員も不審に思うこともなく手続きを進める。作業を人に見られたくないので、個室を頼んだ。昼間の時間はほとんど人がいないが、念のためだ。

個室に入ると、個室に監視カメラがないかチェックする。問題ないと判ってから、サングラスと付け髭を外し、DバッグからノートPCと依頼書を取り出した。

ネットカフェのPCは、比較的新しい。3Dゲームを快適に使えるようにとの配慮か、上位機種がそろっている。

先ずは、ブラウザ立ち上げて目的のサイトの管理画面にアクセスしてみる。念のため、事前に探しておいたフリープロクシを3段ほど繋いでアクセスをする。

先ほど同様、ログイン画面が現れた。
さてと、パスワード辞書にあるID、パスワードで幾つか試してみる。か、結局デフォルトのID、パスワードで、すんなりログインできた。

「これで、仕事終わったかな?」

管理画面から、映像ファイルを削除して、映像ファイルURLを叩いて、削除されたのを確認する。ついでに操作ログを全部削除しておく。
これで、映像ファイルはネットから見れなくなったので、とりあえずの仕事は完了だ。

折角なのでSSHでのアクセスもやってみるか?

こちらも事前にtelnetでログインできるサーバーを用意している。
こちらも3カ所を経由して、最後のサーバーからSSHでログインを試みる。
パスワード辞書で何件か試してみるが繋がらない。

もしやと思い、CMSのIDとパスワードを使ってみたらログインできた。ついでにroot権限になるためのパスワードを探してみるがこちらは見つからない。
CMSのパスワードとも違うようだ。

あきらめて、CMSの権限でいろいろ見ていると、サイト全体と思われるバックアップがいくつか見つかった。

多分、映像ファイルもこのバックアップに含まれているだろう。

あぶないあぶない。
と、バックアップを全部消して、同じ名前の空のファイルを作っておく。

root権限があれば、日付も属性も判らないようにしてやるが、しかたない。

アクセスしたログも取られているだろうが、root権限がないからどうしようもない。

もう一度、軽く、見て回って、もう映像ファイルが無さそうだと判断したので、ログアウトした。

経由したホストのログが取られていないのを念のため確認して、通ってきた経路を順にログアウトしていく。

0 件のコメント: