2009年9月22日火曜日

第1話「探偵事務所の機密情報を奪還せよ」#4

「だいたい事情は判ったよ。仕事引き受けるけど、どこまでできるか判わかんないよ。それに会社休めないから、基本的に土日と深夜だけしか動けないけどいい?」
「了解だ。引き受けてくれると思っていた。前金は明日事務所に取りに来てくれ。江島くんに手配しておく。早速だが、携帯とヘッドセットを渡しとくよ。」
「俺、携帯なら持ってるよ」
「まあそういうな。作業中に繋ぎ放しってこともあり得るから持ってろよ。ヘッドセットもブルーテゥースだから目立たなくて良いぞ。携帯は8メガのカメラ付きだからデジカメ代わりに使えるしな。」
「なんか、ヘアピン見たいなデザインだね。あ、意外に軽い。あれこれどうやって着けるの?」
「着けるのにちょっと慣れが必要だけど、慣れれば簡単。サングラスも邪魔にならないし、音質も良いよ」
何とか苦労して着けることに成功した。


軽くて良いんだけど、やっぱ  
目立たない黒がいいな。


24のジャックバウワーが使うような
小型なのはこれだけど...。

「携帯はウエストポーチに入れてる。ついでにサバイバルナイフや小物類も携帯と一緒に入れといたから。ヘッドセットはウエストポーチの手前のポケットだ」
と滝沢のオッサンは自分の鞄からウエストポーチを取り出して俺に渡した。用意の良いこった。
「ウエストポーチには、必要と思うものを入れてる。後で自分なり必要と思えるものを入れて使ってくれ。江島くんに渡せば同じセットの予備を用意してくれるはずだ。」
「了解です。でもこれ、でっかいサバイバルナイフつうか、プライヤですね。」
「あ あそれ、PC組立ぐらいできるよ。プライヤにドライバビットまでセットになったIT御用達セットだ。きみにぴったりだろ。他は、手動発電の携帯充電器と ソーラー発電付きの携帯補助バッテリー、アルミ蒸着フィルム、防寒用だ。あとビニール袋と小型のLEDライトと盗聴器と小型無線カメラだ。受信機は大きく なるから必要な時に言ってくれ。」
滝沢のオッサンってツールマニアだったのか。妙にうれしそうだな。
「携帯には電子マネーと、SUIKAが入っている。経費としてなら自由に使ってかまわない。」
あ、これはありがたい。立て替えてくれとか言われたらつらいし。
「ウエストポーチは、この仕事するときはずっと身につけていてくれ。ヘッドセットは常に耳にな。」
「ふーん。判った。」
といいながら、ウエストポーチを着けて、携帯の電源を入れた。バッテリーはあるみたいだ。
とたん携帯に着信したので、ヘッドセットのボタンを押すと滝沢のオッサンの声がヘッドセットから聞こえる。
「どうだ?」
「ああ、ちゃんと聞こえる」
「他に何か必要なものがあれば言ってくれよ。用意するからな。」
「そうだなあ。とりあえずいろいろ試してみたいからノートPC1台用意できない?それからネットにつながる環境。事務所でも良いよ。」
「判った。事務所にあるはずだから、帰りに事務所によってくれ。言っておくよ。」
滝沢のオッサンは使い古したメモ帳を取り出すとメモし、携帯で連絡を取った。
話していたらもう9時を回っている。
「じゃ俺、今夜バイトあるからもう帰るよ。」
「おう、きーつけて」
と言って見送るオッサン。


プライヤが意外としっかりして  
使いやすい。ナイフがあるので
飛行機の手荷物検査に
引っかかるのがうっとうしい。


太陽光だけではなく、普通の
ACアダプタからの充電もできる
ので、こっちの使い方のほうが
多いかも。

≪#5へ続く≫
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