2009年11月13日金曜日

第2話「家出少女救出作戦」#7

この1週間2週間分のメールの受信履歴を見るが見つからない。DMが多すぎる。見逃したかもしれない。
じゃあ、検索してみようと、「出航」で検索するが、該当なし。
「出航」だから、、、船だとして、どこの埠頭から出航するのか知りたいから、「埠頭」で検索してみる。
ビンゴ!!
1週間前に来たメールに含まれていた。タイトルが英文だったのでDMと勘違いして見逃していた。

来週火曜日に第7埠頭に接岸する。
出発は再来週の金曜日の予定だ。
貨物の準備を木曜日中に頼む。

といった簡素な文面だ。
「江島さん、やつら、船を使って何かを運ぶようですね。今週の火曜日に着いた船に何かを載せて、来週の金曜日に出航する予定みたいです。」
「どこの港か判らない?」
「このメールだけでは判んないですね。第7埠頭とだけは判りましたけど。でも、スケジュールにポーアイ倉庫ってあったから、神戸じゃないかな?」
「ありがとう。それだけあれば、判るかもしれない。」
江島さんは港湾事務局に問い合わせて、該当する港は神戸ポートアイランド、船籍は中国、船名「天祥108」で、来週金曜日21:00出航で次の入港先は香港であることが判った。急いで、所長に連絡を入れて調べたことを伝えた。


香港の夜景は綺麗ですねえ。



これがうわさの香港製iphone。
DocomoのSIMで動くとの噂が!!


「江島くん、順平くん、こりゃ大事になってきたな。人身売買かも知れない。警察を動かすにはもう少し証拠が欲しいな。外国船内は捜索が難しいんだ。船に入られる前に何とか押さえたい。」
「江島くん、大沢探偵事務所に連絡して応援を頼んでくれ。第七埠頭の船の監視だ、携帯ヘッドセットを渡して常時通信状態で、船の出入りと状況を漏れなく報告するように依頼してくれ。」
「順平くんにも、もう少し調べてもらってくれ、例の「ポーアイ倉庫」について何か手掛かりがないか?」
「判りました所長。順平君に伝えます。大沢探偵事務所に連絡して、準備が整ったらまた連絡します」
絵島さんは、電話を切り
「順平くん、所長から、もっと例のポーアイ倉庫について調べてって」
「ああ、了解。もう調べ始めてるよ」

もとより「ポーアイ倉庫」は調べるつもりであった。
また、メールを「ポーアイ倉庫」で検索してみる。「ポーアイ倉庫」そのものではヒットはないが「ポートアイランド」「倉庫」で何件かのメールがヒットした。
一番古いメールに詳細情報があった。

ポートアイランドの丸山物産の倉庫の一部を借りることができた。
住所は、港島南町4-○-101だ。空港島に渡る橋の手前を左折し、突きあたりのブロックだ。
元々倉庫の作業員用の宿泊施設で台所、シャワーなどもついているのでそのまま使える。
入口は1箇所だから、窓を潰して空調を入れれば良い。今週中に作業を終えること。

「江島さん、倉庫見つけたよ。港島南町4-○-101南鱈物産の倉庫の一部だって」
「了解。確認して所長に連絡するわ」
「あら、南鱈物産って2年前に倒産してるわね。今は債権者団体の所有物ね。債権者の筆頭は丸肥銀行よ」
「ということは、事実上だれにも使われていない放置状態ってことか。それをやつらが見つけて無断で使ってるって訳か。」
「そうみたいね。あら?所長?携帯に出てくれないわね」



ポーアイには、IKEAがあります。
広いですよ。

建築設計資料 77  工場・倉庫 2 [本]

建築設計資料 77 工場・倉庫 2 [本]

港の倉庫はあまりにも大きい。


≪#8へ続く≫
この小説はフィクションであり、実在する国、団体や事象、法律など実在の世界にあるものとは、一切関係ありません。
バナー広告と小説の出てくる物品が似ている場合もありますが、それが同一のものであることを保障するものではありません。

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