2009年12月15日火曜日

第3話「ウェブサイトの恐怖 漏洩情報を排除せよ」#2

俺の頭に、その体に不似合いな6インチのM16を向け。
「さよなら」
というと、引き金を引いた。弾は見事に眉間に当たった。
俺はその場に崩れ倒れた。

「また負けちゃったよ。江島さん強すぎない?」
「なんで、順平くん、あそこで油断しちゃうかなあ。」

所長が不満顔で言う。

「所長を救ってあげたからでしょ。それに、そういう所長だって、江島さんに1対1で負けてるじゃないですか。」

「接近戦だとロングバレルは不利なんだから、仕方ないでしょ」

俺を倒した後、江島さんは、M16を片手に所長の木立に向かってダッシュした。
あわててT所長は江島さんに銃を向けようとするが木立がじゃまになって上手く狙えない。
半歩下がって体制を立て直した頃には江島さんは所長の間際まで近づいていて、所長が江島さんを狙う前に眉間を打ち抜かれていた。

今日は、近隣の探偵事務所対抗でのサバゲー大会。

ホントは事務所単位なんだけど、うちの事務所は、昨年、一昨年と優勝が続き、強すぎるとのクレームがあり、去年最下位だった探偵事務所のメンバーと江島さんが強制的にトレードされて敵方に。

結局、昨年最下位探偵事務所が優勝。結局うちの事務所が強かったのは、江島さんのおかげなのね。

なんとか準優勝できて、面目は躍如した。俺は探偵事務所対抗のサバゲーは初めてだったが、所長とは同じサバゲークラブでチームを組んだことが何回もある。

所長はもっぱら、スナイパー役で、腕が良い。本物のスコープを付けてちょと大人げない。

最近は電動銃が主流だが、俺たちはもっぱらガス銃を好んで使っている。
なぜなら、違法ではあるが、改造して外部のエアタンクにホースで接続して、パワーアップできるからだ。

エアタンクは背中の腰の位置に固定している。
特にスナイパー役の所長は、エアタンクのおかげで弾道が安定するので欠かせない。

「そういえば江島さん何でM16何ですか?」

「え?かっこいいじゃない。リボルバーって最高よね。M16って重厚感があってバランスとれてるって感じじゃない?」

と言いながら、腰のホルスターからM16を抜いて早撃ちのマネをする。
本物だったら、撃った瞬間に手首の骨が砕けだろうなあと思いながら。

「でも、弾数が少ないし、薬きょうの換装も面倒だからサバゲーじゃ不利でしょ」

「それが良いんじゃない。弾の金属質な感じも良いし、換装も手間が良いのよね。それにさっきも1回も換装してないわよた。結局6発つかってないもん」

くそお。俺は50発以上ばらまいたぞ。まあ、牽制の意味でばらまいているから良い悪いはないけど。

滝沢探偵事務所チームの3人とも江島さんにやられた訳だから、1人あたり2発使ってないって驚異だよ。

「換装も早いわよ」

といって、M16を取り出し、シリンダーを外して、上に向けて薬きょうを解放すると、スピードローダーにセットされた弾を装着、シリンダーを戻す。
1アクションにしか見えないスピードで換装が完了した。

この人、生まれる時代を間違ったね。

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