2009年10月6日火曜日

第1話「探偵事務所の機密情報を奪還せよ」#8

「所長。奴らが帰ってくるまで、まだ時間はあるかな?」
「ああ、まあ1時間ぐらいは大丈夫なはずだ。」
「念のため、監視カメラでやつらが帰ってくるのを見張って欲しいんだけど。やつらのデータを丸ごとコピーするのにアクセスランプが目立ってばれるかもしれないから。」
「おう判った。だが、それじゃ時間が稼げないから、江島くん、向かいのファミレスから玄関を監視してやつらが帰ってきたら教えてくれ。ヘッドセットつけて携帯つなぎっぱなしで頼むよ。」
「はい。所長。じゃ、いってきます。」
「じゃさっそくコピー始めます。帰ってきたら途中でも中断しますので、即連絡お願いします」
「おう」
と返事すると所長は監視カメラのモニタに向かった。
俺は、コピーを開始した。ボーと待ってるのも何なので、『bobby』にアタックしてみる。
まずは、bobby/bobbyかな?ビンゴ、Cドライブが見えちゃった。セキュリティぬるすぎ。
こっちもデータ抜かなきゃ。
とりあえず、メールのデータと、デスクトップとマイドキュメントと他はなさそうだな。
あ、Webブラウザのブックマークとアクセス履歴もとっておこう。
よし、『Server』のバックアップ終了。
『bobby』のメールデータ、ブラウザのデータ、デスクトップ、マイドキュメントとコピー開始。
「え、もう帰ってきた?」
所長が突然大きな声を上げた。
「順平くん、奴らが帰ってきたらしい。」
くそ。もう少しなんだけど。メールデータ、ブラウザのデータがコピー完了した。デスクトップのコピーを開始した。


お手軽な家庭内ファイルサーバはこれ。  
REGZA対応で、DTCP/IP対応。


市販のNASサーバで容量が足らない人は
自分で大容量のNASサーバを作ろう。


「もうすぐコピー終わりなんで、ぎりぎりまで中断したくないんで、部屋に入るぎりぎりのタイミングを教えてください。」
「そうだな。今玄関ホールに入ったばかりだから、後2、3分は大丈夫だと思う。」
「江島くん。奴らがエレベータに乗ったら、エレベータの階数を読んでくれ。」
しばらくして、所長が言った。
「今、エレベータに入ったそうだ」
「了解です」
俺が答える。
デスクトップのコピーが完了し、マイドキュメントのコピーを開始した。
まずいなあ。途中で止めるか?
と思っていると所長が江島さんが読み上げたエレベータの階数を反芻して読み上げ始めた。
「2階、3階、4階、限界だぞ順平くん」
「了解。コピーを中断します。」
コピーを中断しようとした瞬間に、コピーが終了した。
「はぁ、コピー終了。ぎりぎり間に合いました。念のため無線LANも終了します。」
監視カメラのモニタを覗くと、リビングに入ってきた3人組が見える。
進入した痕跡は消せなかったけど、まあ、あれだけセキュリティのぬるいやつらだからすぐに見つかることはないだろう。万一見つかっても誰が侵入したのかを特定するのは難しいだろう。


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監視カメラはこれだ!
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ぐらいなら透けて見える。危険。


≪#9へ続く≫
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