2009年10月27日火曜日

第2話「家出少女救出作戦」#2

じゃ早速ということでインターネットカフェのPCを立ち上げる。

まずはブラウザの履歴を見て見るかな?
どっか有名どころでも行っててくれればいいけど。
ん、大手ブログサイトの履歴が残っている。
ネットに繋いで、ブラウザを立ち上げてみると、ブラウザのブックマークにそのブログがある。
あれ?もしかして?と思いならそのブログにアクセスして、ログインIDのところで、ダブルクリックしてみる。案の定、いくつかのIDが一覧表示された。
一番上にyukananというIDがある。多分こいつだ。IDをクリックすると、ID入力エリアに「yukanan」が入り、パスワード入力エリアには「*********」が入った。
「ログイン」ボタンをクリックすると「ユカナンの秘密の小部屋」というタイトルが表示された
「よし、これでゆかりさんのブログに入れました。足取りが追えると思います。」
最後の書き込みは2日前、
『やっほーユカナンだよ。今神戸にきてるの。ハーバーランドの夜景がきれいで、ちょー感激』
『2日前に神戸にいたのは間違い無さそうだ。ハーバーランドだから、神戸駅周辺に居るかもね』
「やったな、流石順平くん。仕事が速いなあ。ありがとう。ここからは俺の領分らしいから、引き取るよ。また困ったら頼むな。で、この依頼が片づくまで、携帯をいつも持ち歩いて連絡とれるようにしておいてくれよ。」
「じゃ早速聞き込みに行ってくる。」
と言って出かけてしまった。
後には、俺と江島さんが残された。
「あの、江島さん。この前はどうも」
急にまじめモードになった江島さんが
「じゃ、コーヒー飲んだらさっさと帰ってね。私、所長のバックアップで忙しいから。」
と言う。
「じゃ、この依頼が片づいたら映画見に行かない?ハリー・ポッターの鑑賞券もらったんだ」
「この依頼は片づいてもいないし、映画も見ません」
「ええ、そんなあ」
「もう、所長に渡すための宿泊先リストをつくったり、事前アポをとったり、ブログを調べたりって忙しいの。じゃましないで」
そこまで言われたら、話が続けられない。
しぶしぶ黙ってコーヒーを飲んで「ごちそうさま」とだけ行って事務所を後にした。


神戸らしさを堪能ください。


もう一度最初から見直しませんか?


すごい。全巻セット。何日で読みきれるかな?


ちぇ、江島さん何であんなに急に不機嫌になっただろ。
悩んだところでしょうがない。
帰って寝ることにした。

夜中に所長から電話がかかってきた。
「よかった。順平くん。明日も休みだろ。朝から事務所に来てくれないか?」
「とりあえず彼女の足取りは追えたんだが、当の本人が見つからなくてね。またちょっとお知恵拝借だ。」
「3日前の夜、例のブログを書いた日は神戸駅のすぐ近くにあるネットカフェに泊まったことは判った。だがその後の足取りがつかめない。店員の話では、どうやら男についていったらしいんだ。いま、その男の部屋をさぐりあてたところなんだが、どうやら他の女を連れ込んでいるみたいだ。この辺じゃ軟派で有名らしい。やつの周辺を洗っているが。どうしても彼女が見つからないんだ。」
「それから、もうひとつ困ったネタがあってね。関西方面でこの1ヶ月で30人近い失踪者が出ている。それも若い女性ばかりだ。関西の探偵仲間では、解決できない依頼として有名になっている。どうやら、それらのほとんどが神戸方面に集中して、そこで足取りが途絶えている。今回の依頼もその可能性が高い。と言うことは、組織犯罪である可能性が高くなってきている。つまり、相当やばいってことだ。」
「え、そうなの?」
と気楽に答える俺。
「ああ、単独で悪さしてるんだったら、俺の腕力で押さえつけて吐かせる事もできるんだが、こういう組織に属しているやつらは敏感でね。仲間と連絡がとれなくなったらとたんに地下に潜るんだ。全く探せなくなってしまう。今、奴らは警戒していない。俺たちが奴らを捜していることを奴らが知らないことが一番の有利なところだ。」
「そんなもんですか。」
俺はこの業界のよくわかっていないので、納得するしかなかった。
「普通なら、奴に気づかれないようにして、時間をかけて調査するんだが、今回はどうも時間が無さそうな気がする。なので、尾行しての情報収集はやるんだが、順平くんにも情報を集める手助けをして欲しいんだ。」



いやん。科学しないで。


ありましたね。失踪マニュアル


≪#3へ続く≫
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